2020年4月から、ルールが改定されます

 Jリーグ等では今年(2019年)8月より、改定されていますが、このルール改定が2020年4月より、少年サッカーにも適用されます。
 ルールを確認し、準備しておきましょう。



コイントスでキックオフ(ボール)も選べるようになります。

 試合前に審判がコインを投げ、表が出たチームが試合開始時の条件を選択できます。今まではエンド(前半に攻めるゴール)を決める形でしたが、キックオフ(ボール)も選べるようになります。
 今まではエンドの選択で大体が最初に並んだまま、「このままでいいです。」との選択でしたが、今後は キックオフ(ボール)を選ぶことが増えると思います。
 審判を対応する方も最初は、「キックオフ(ボール)とエンド(前半に攻める方向)を選べるけど、どちらにする?」と聞いてあげましょう。

  

競技規則 第 8 条 プレーの開始および再開

●コイントスに勝ったチームが、前半に攻めるゴールか、またはキックオフを行うかを決める。

ゴールキックはペナルティーエリアを出なくともボールに触れられる

 今まではゴールキックの際、キッカー(必ずしもキーパーでなくとも構わない)が蹴った後、ボールがペナルティーエリアを出るまでは他のプレーヤー(味方、相手とも)はボールに触れる事は出来ませんでした。 ペナルティーエリアを出る前に他のプレーヤーがボールに触れるとゴールキックのやり直しでした。
   今後はゴールキック後、ボールがペナルティーエリアを出なとも、他のプレーヤーがボールに触れる事が 出来るようになりました。但し、ゴールキックの際にペナルティーエリアの中に居られるのは味方のプレーヤーのみです。相手プレーヤーはゴールキックが行われるまでペナルティーエリアに居る事は出来ません。

 今回の改定の中で一番大きな事項です。

 高学年であれは、キックも遠くまで飛ぶので問題ありませんが、中学年より下だとボールが遠くまで 飛ばないのでゴールキックは自分達のボールでありながら、むしろ、ピンチの状況でした。今後、ゴールキックの際は相手選手がペナルティーエリアのすぐ外で並んで待っているとの状況(作戦)が予想されます。 ゴールキック側はそれに対抗するためにペナルティーエリアに一人、二人のディフェンスを残すことになるでしょう。

 このルール改定は戦術の幅を広げるためとの目的ですが、ジュニアサッカーには合わないと私は思います。 ゴールキックになっても良いと考え、積極的にシュートを狙うようになり、むしろ、サッカーが雑になるのではないでしょうか。
 一番恐れるのは、中低学年でゴールキックの際に相手プレーヤーの多くがペナルティーエリアラインで 狙うようになり、この状態から抜け出せないようになることです。そして、キーパーが味方からも責められる。。。仲間を責めるようなことは絶対にやめて欲しいです。

  

競技規則 第 16 条 ゴールキック

●ボールは、けられて明らかに動いたときにインプレーとなる。
●相手競技者は、ボールがインプレーになるまで、ペナルティーエリアの外にいる。  ゴールキックが行われるとき、相手競技者がペナルティーエリアから出る時間がなく 残っていた場合、主審はプレーを続けさせることができる。ペナルティーエリア内にいる、または、ボールがインプレーになる前にペナルティーエリアに入った相手競技者が、ボールがインプレーになる前にボールに触れる、または、挑む場合、ゴールキックは再び行われる。
 ボールがインプレーになる前に競技者がペナルティーエリアに入って、ファウルした場合、または相手競技者によりファウルされた場合、ゴールキックが再び行われ、反則を犯 した競技者は、その反則により警告または退場が命じられることがある。その他の反則に対して、キックは再び行われる。

選手交代の時、交代選手は一番近いタッチラインからピッチの外に出る

 今までは選手交代はベンチ側のセンタ―ライン付近の交代ゾーンから、出入りしないとなりませんでした。 今後は、出る選手は一番近いタッチラインからピッチの外に出るとなりました。

 このルールもどうなのだろうか?

 このルール改定の目的は選手交代の際に不要に時間稼ぎをすることを防止することです。しかし、ジュニアサッカーでは選手交代はゲームを止めずに自由に交代が出来ます。不要な時間稼ぎなどは起こりません。 ベンチ側から遠いサイドのポジションの選手を交代させる場合、交代ゾーンに来るまでの時間、プレーヤーが 一人減った状態でしたが、それは改善されます。しかし、選手交代の管理が分かりづらくなります。当然、 交代選手がピッチ外に出ないと次の選手は入れません。自由交代だとこの管理が出来ないのではないでしょうか。
 一つ疑問ですが、これを怠った際にどのようにするのでしょうか。基本的には不要な時間稼ぎ(=遅延行為)をしたとなり、イエローカードとなりますが、ジュニアサッカーでは遅延行為になりません。注意も必要ないでしょう。

  

競技規則 第 3 条 競技者

●既に競技のフィールド外に出ている場合を除き、主審の承認を得て競技のフィールドから離れる。競技者は境界線の最も近い地点から出なければならない。ただし競技者がハーフウェーラインのところから直接すみやかに、また、(例えば、安全や保安または負傷などのため)他の地点から出るようにと、主審が示した場合を除く。

フリーキックの際、攻撃側選手は守備側選手の壁から、1m離れなければならない

 フリーキックの際、守備側選手が壁を作りますが、3人以上の守備側チームの競技者が作る壁から、攻撃側チームの競技者が1m以上離れないとならないとなった。尚、違反した場合、間接フリーキックが与えられます。
 ジュニアサッカーでは、余りないシーンですが、このようなルールが出来たことを覚えておきましょう。

  

競技規則 第 13 条 フリーキック

●3人以上の守備側チームの競技者が「壁」を作ったとき、すべての攻撃側チームの競技者はボールがインプレーになるまで「壁」から1m(1ヤード)以上離れていなければならない。

ドロップボールはボールを受け取れる選手が指定されます。

 ドロップボールとは、どのような時に行うかと言うと不測の事態が起きて、審判がゲームの進行を止めた時です。例えば、選手がケガなどで倒れていた場合です。
 今まではルール上では双方の選手の間にボールを落とし、ボールが地面についた瞬間にゲーム再開でしたが、今後はボールを受け取れる選手が指定されます。今までも、その時にボールを保持していたチーム側に渡していましたが、ルールとして明確化されたという事です。

・主審は最後にボールに触れたチームの競技者 の1人にボールをドロップする。
・他の競技者はボールがインプレーになるまで4m以上離れなければならない。
・ボールがペナルティエリア内にあった時にゲームを止められた場合はキーパーにドロップされる。
・ドロップボールからの直接ゴールは出来ない。

 ここで注意しないとならないのは、ボールがペナルティーエリア内でゲームが止まった場合は必ず、 キーパーにドロップされるという事です。明らかな攻撃側ボールの時であっても。まあ、このような状況 では、審判の方は止めないようにしましょう。

 補足ですが、審判にボールが当たり、攻守が変わったり、ゴールになったりした場合など、どちらかの チームが利益を得た場合、今までは、そのままゲームが進行しましたが、今後はドロップボールとなります。

  

競技規則 第 8 条 プレーの開始および再開

●次の状況でプレーが停止された場合、ボールはペナルティーエリア内で守備側チームのゴールキーパーにドロップされる。
 ・ボールがペナルティーエリア内にあった。
 ・またはボールが最後 に触れられたのがペナルティーエリア内であった。
●その他のすべてのケースにおいて主審は、ボールが最後に競技者、外的要因または審判員に触れた位置で、最後にボールに触れたチームの競技者の1人にボールをドロップする。
●(両チームの)他のすべての競技者は、ボールがインプレーになるまで4m(4.5ヤード)以上ボールから離れなければならない。

その他の改定事項

●ハンドについて
 ハンドの取り扱いについても補足がされました。
・意図的でなく、手や腕にボールが当たった場合の事例が追加。
・偶発的でもゴールなどの大きな利益を得た場合はハンドとする。